アメリカカリフォルニア州サンディエゴにある、AMI(国際モンテソーリ協会)認定園、キンダーハウスモンテッソーリスクール(Kinderhouse MONTESSORI SCHOOL)をご紹介します。
2歳~小学生まで総勢140人の生徒が通う、大きなモンテッソーリスクールです。
キンダーハウス・モンテッソーリスクールの創立者、ヨギ先生にお話を伺いました。
Ms.Yogi Patel(創立者のヨギ・パテル先生)
娘のための学校
「最初は全然モンテッソーリが何かも知りませんでした。子どもが2歳半の時に、主人がモンテッソーリスクールを見つけてきたんです。それが最初の出会いです。
最初に学校に行ったとき、子どもが外でピーナッツバターを作り、そして他の子は布を洗っていたんです。それは驚きでした。そして、家庭でもモンテッソーリ教育を実践し始めました。
その後ここカリフォルニアに引っ越すと、当時はあまり沢山のAMI(国際モンテッソーリ協会)の考えに基づくモンテッソーリの学校がなかったため、自らAMI(国際モンテッソーリ協会)の教師の資格を取って、娘たちが4歳半と6歳の時、自宅で学校を開きました。それがスタートです。
最初は娘たちの他に4人の生徒しかいませんでしたが、今では140人です。」
先生のサポートを大事に
「モンテッソーリ教師のトレーニングを受けた後、いざ子どもと接する際に、子ども達の家庭での育てられ方とモンテッソーリの考え方とに大きなギャップがあることが多く、先生達は悩みます。そのため、より上手にクラスを運営するためにポジティブ・ディシプリン・クラスルーム・マネージメント(長期的な目標のもとで子どもの主体性をのばすことを目的に開発された方法でクラスを運営していくもの)を学ぶんです。私はそのトレーナーにもなりました。園に独自の先生のトレーニングプログラムがあるんです。
まず最初の年に、“責任”というものを学びます。先輩の先生達から、以下のようなことを学びます。
・レッスンプランの立てかた。
・壊れている教材の分析方法や直し方。
・子どもを観察して何が必要かを知る方法。
・保護者へのお便りの書き方。
・保護者との話しかた。
次の年もまた新しい責任を学び、徐々に自立していきます。そして、三年目にはもっと責任を与え、今度は新しく入ってきた先生のメンター(教育係)になるんです。
子どもと同じように、先生にも成長する時間が必要だと思います。当初は一年目の先生はギャップに悩み、そしてやめていくこともありました。でもこのプログラムを取り入れてから、先生もとても自信を持てるようになり、それは子どもにとっても良いことです。時には、モンテッソーリの資格を持っていても、1年間は「担任」ではなく「アシスタント」として、主担任の元で学びながら働きます。
先生が大変なのは世界のどこでも同じだと思います。何故なら『子どもと働く』という責任は、例えばスーパーで働くのと全く異なります。子どもは一人ひとり、心も頭も、サイズも全てが異なります。
ですから、親がはじめて赤ちゃんを持った時と同じように、先生達もサポートを必要としています。
最初の数年間はとても大変でしょう。本で読んだ通りにはいかず、習った通りにやってもうまくいかないときに、打ちひしがれるように感じてしまいます。だから先生達にもおじいちゃんおばあちゃんのような、あたたかいサポーターが必要だと思うんです。」
Kinderhouse MONTESSORI SCHOOl
次に、スクールの環境をご紹介します。
大きな建物を入るとすぐに受付があります。
受付を過ぎて階段をのぼると、
2階の3-6歳のクラスに到着しました。
3-6歳クラス
全体
カラーコーディネートされた、カラフルで素敵な教材が並びます。
「環境は、常に本当に子どもが関われるように、誘うような状態でなければいけません。何故なら、環境こそが良いクラスをつくる鍵だからです。
もし先生が環境を整えない時には、その他で頑張っても、クラスはなかなかうまくいきません。大事なのは、教材の色を各活動ごとに統一して、カラーコーディネートをすること。時にはペイントハウスに行って色を統一します。(創立者のヨギ先生)」
先生の見えなくなる場所があるためでしょうか?天井近くには、カーブミラーのような鏡が!
日常生活の練習
棚
下に敷くマットは、巻いてあり、ナプキンリングでとめられています。
机を洗う
机を洗うお仕事。黄色でカラーコーディネートされています。
ブラシはこんなタイプです。
お花を生けるお仕事
テーブルにセッティングされています。
お花は、こんなにたっぷりと用意されていました。
洗濯をする
モンテッソーリサービス社の洗濯台が。
靴磨き
使う道具は、この木のケースの中に収められています。
使う道具を出してみると、このような内容でした。
手を洗う
アメリカで見るカラフルな日常生活の練習の多く教材の多くは、アメリカにある「モンテッソーリサービス」社で販売しています。送料はかかってしまいますが、日本からも注文ができるようです。
https://www.montessoriservices.com/
数教育
数のカード
紙が一般的な数のカードは、木製でした。
mindspaceというメーカーの物のようです。
板の教具の収納
計算板や暗算板の答えは、縦に収納されています。
上に重ねるのではなく、立てることで、子ども達も取りやすそうです。
数の様々な副教材
紙の副教材で、足し算や掛け算ができるように用意されています。
言語教育
ミニチュアやカード
ケースではなく、お皿に入れてありました。
何のカードなのか分かるよう、まるで絵本の見やすく並べられています。
お昼ご飯
それぞれが、おうちからお弁当を持って来ますがそのまま食べるわけではありません。お弁当箱から中身を出し、ランチョンマットを敷き、お皿の上におかずを並べます。
ランチの用意をしてから、外遊びへ。
こちらの園は、0歳から12歳までのAMI(国際モンテッソーリ協会)認定園です。創立者のヨギ先生のモンテッソーリ教育への情熱と、先生たちへのサポートシステムにより、今日も多くの子どもたちが元気に通っています。
【Kinderhouse MONTESSORI SCHOOL】
6540 Flanders Dr, San Diego, CA 92121
お知らせ
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