今回は、一人歩きができるようになった子どものお部屋づくりのポイントをご紹介します。
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歩行による手の自由
「歩行の完成」は、子どもの発達において、非常に大きな意味を持っています。
それ以前は、ハイハイにしろ伝い歩きにしろ、子どもは自分の体を支えるために「手」を使う必要がありました。それが自分の両足だけで体を支えられるようになると、初めて「手」が自由になるのです。できることの幅が一気に広がります。
自分の身の回りのこと、他の人の役に立つこと、手をたくさん使って作業すること…今までできなかった多くのことができるようになり、また、やりたがります。
やりたい気持ちをサポートするために
この時期の子どもの持つ「自分でやりたい!」という強い気持ちをサポートするには、どのような環境を整えてあげたら良いのでしょうか。
着替え
たとえば、毎朝起きたら着替えをしますね。その際、大人が服を選んで大人が着せてあげるのか、子どもが自分で服を選んで自分で着るのか…生活の中のほんの一瞬の、ほんの小さな違いです。
ですが、「自分で選んだ!」「自分で頑張って着た!」という小さな自信が、子どもの内に毎日積み重なっていったら、それは大きな違いになっていくのではないでしょうか。
収納の工夫
具体的には、子どもの手の届くところに洋服を収納しましょう。子どもが小さなうちは、どの引き出しに何が入っているか、シールやイラストを貼っておくと分かりやすいです。
少ない選択肢を与える
また、1~2歳の子どもは、あまり選択肢が多すぎると、混乱してうまく選べないことがあります。子どもの様子を見ながら服の数を調節し、多すぎるようであれば別の場所で大人が管理すると良いでしょう。
特に、最初のうちは、2着くらい見せながら「どっちのお洋服にする?」と選ばせるくらいでも十分です。慣れてくると、子ども自身が「今日は寒いからこの厚手の洋服にしよう」とか「今日は公園に行くから動きやすいズボンにしよう」などと考えながら選択できるようになってきます。
(大人が、どちらを選んでも良い服を2つ位用意し、選ばせるところからスタート)
着脱しやすい服と場所
また、歩き始めたばかりの子どもにとって、衣服の着脱は難しいものです。クローゼットの近くに小さな椅子(スツール)などを置いてあげると、ズボンや靴下の着脱がやりやすくなります。
もちろん、脱ぎ着しやすいような洋服を選んでおくことも大切ですね。小さなボタンがたくさん並んだシャツや、ファスナー開きのジーンズなどは、大人の手を借りなくては脱ぎ着できません。もう少し大きくなってからのお楽しみにしましょう。
洋服の前後をわかりやすく
洋服の前後も、子どもにとって難しいポイントです。せっかく頑張ってようやく着られたのに、「前と後ろが反対よ」などと指摘されてやり直しになっては、子どものやる気も失われてしまいます。
前後が分かりにくい服には、あらかじめボタンやリボンなどで前印をつけてあげると、子ども一人でも着られます。
鏡で自己訂正を可能に
スペースが許せば、お着替えする場所の近くに鏡を置くと良いでしょう。もし洋服の前後を間違えていたり、何かおかしな着方をしたりしていたときに、子どもが自分で気づいて直すことができます。「違うよ」と直接指摘するよりも、「ちょっと鏡で確認してごらん」と声かけをすると、子どもの自尊心を傷つけません。
自分で外見に気を配り、身だしなみを整える習慣も身に付きます。
自分でできるように、手伝うこと
こんなふうに、少し環境を整えるだけで、子どもの「自分でやりたい!」という気持ちを満たしてあげることができます。
まずは、お子さんの様子をよく観察してみて下さい。
大人の手を借りなくてはできないことは、どんなことですか?
着替えと同じように、他のことも、工夫次第で「大人の手を借りなくてはできないこと」から「子どもが自分でできること」に変えられるかもしれません。たとえば、大人が抱っこして手を洗っているならば、踏台を置いて自分で洗えるようにする。大人がすべて配膳をしているならば、子どもにもできるよう持ちやすいお盆などを用意する。家の中を見回すと、工夫できるところがたくさん見つかると思います。
子どもの『自分でできた!』を、少しずつ増やしていきましょう!
(執筆者:伊藤久美子 / AMI 0-3歳レベル、日本モンテッソーリ教育綜合研究所3-6歳レベル資格者)
(編集:あべようこ)
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