2020.02.13 Inner Sydney Montessori (オーストラリア > シドニー) ①


オーストラリアのモンテッソーリ小学校 Inner Sydney Montessori

日本では乳幼児の教育法と捉えられることが多いモンテッソーリ教育ですが、海外にはたくさんのモンテッソーリ小学校があります。

 

その多くは、乳幼児の通うモンテソーリ園に併設され、同じ施設内で6歳以降もモンテッソーリ教育が受け続けることができるのです。日本にも是非そのようなところが増えて欲しいですね!

 

そんな願いを込め、今回はオーストラリアのシドニーにある「Inner Sydney Montessori(インナー・シドニー・モンテッソーリスクール)」の小学校低学年クラスの様子をご紹介します。

 

inner sydneyの外観

(Inner Sydney Montessoriの外観)

 

たくさんの分野や写真があるので、3回に渡ってお届けします。今回は、小学校クラス全体と「言語教育」「数教育」の環境についてです。

 

 

小学生クラス全体

モンテッソーリの小学校は、6~12歳までの「6学年縦割り」で行われている場合と、6~9歳、9~12歳の「低学年・高学年」に分かれている場合があります。こちらのスクールは後者になります。

 

今回は、6歳~9歳の低学年クラスの環境を見せていただきました!

 

(クラス全体)

 

このクラスに、6歳から9歳までの子どもたち約25名が、8時半から15時まで通っています。先生は、モンテッソーリの小学校課程資格を持つ教師1名と、アシスタント1名です。

 

その日のスケジュールが書かれたホワイトボードです。ワークサイクルは、朝3時間、午後2時間あります。

 

室内でも植物の緑を感じられる、あたたかい雰囲気のお部屋です。

 

数、幾何学の教具の置かれたスペース。

 

部屋の真ん中から半分を見た様子です。

 

食器を洗うシンク(左)と教材を洗うシンク(右)に分かれています。

 

スナックを食べる専用のテーブル。だらだら食べないように「その時間内に食べ終わる」というルールを伝える、砂時計もあります。

 

文房具入れ

 

様々な紙が道具の置かれた棚

 

本、ノートなどの置かれた棚

 

やりかけのお仕事をいれる場所はいくつかありました。ここには編み物などが入っています。

 

大きなスクリーンやパソコンもあります。でも使用する時間が決まっています。

 

窓から教室の外を見た様子。太陽光パネルが見えます!子ども達も活動に裏紙を使用するなど、学校全体として「エコ」「リサイクル」など環境問題への意識が高いように見えました。

 

ここは、子どもたちが遊んだりお昼ご飯を食べたりする場所です。

 

担任の先生の机もクラスの真ん中にあります。

 

モンテッソーリの小学校の分野とは?

各分野ごとの棚やお仕事の紹介の前に、モンテッソーリ教育における、幼児と小学生が学ぶ「分野」の違いについて簡単に解説します。

 

3-6歳は「日常生活」「感覚」「言語」「数」(感覚的な文化の体験)という分野に分かれていました。

 

小学校になると、「言語」「数」はそのままですが、「日常生活」「感覚」はなくなります。代わりに地理」「歴史」「幾何学」「生物」「音楽」「芸術」という分野に分かれていきます。運動や感覚の敏感期を過ぎた子どもたちはそれまでのように、運動の練習や感覚的な助けを必要としなくなり、抽象力、想像力、論理的な思考を使う学習を求めると考えられているからです。

 

それでは、まず「言語教育」「数教育」の環境のご紹介です。

 

言語教育

言語の棚①

 

上には文法のシンボルも置いてあります。

 

言語の棚②。Grammer Boxと呼ばれる、カラフルなの文法の箱が置いてあります。

 

文法の箱はこんな風に使います。例文をみながら、品詞ごとに色の分かれたカードで文章をつくっていくんです。

 

動詞の色は赤。「コマンドカード(命令のカード)」には、子どもたちがつくった動詞を使ったコマンドカードが入っています。

 

前置詞のコマンドカード。

 

文法のマークを使って文章をつくっています。

 

カリグラフィの棚。アルファベットの筆記体を美しく書く練習ができます。

 

全ての分野のリサーチには「書く能力」「読む能力」を使います。「服の歴史」のチャートをつくっています。

 

「素晴らしいオーストラリアの本」

 

モンテッソーリの小学校では、自分の興味のあることを調べて本にしたり、チャートやタイムライン、カードなどにまとめて書いていくことを大事にしています。

 

 

数の棚①。3-6歳で使っていた金ビーズや計算板も、まだおいてあります。幼児期に見慣れた教具を使ってもっと難しい問題を解いていきます。

 

数の棚②

 

蓋を開けてみると、こんなものが入っています。ほとんどが「かけ算」に使うものです。

 

数の棚③。

 

蓋をあけてみると、「わり算」「分数」のお仕事が置いてあります。

 

6歳児が最初にやる「wooden hierarchical material」。1~100万の数の違いを大きな教具を使って体験します。6~7歳児くらいのお仕事は、まだ感覚的な要素が残っています。

 

いかがでしたでしょうか。次回は「地理」「歴史」「幾何学」に関する環境をご紹介いたします。

 

(取材、文 あべようこ)

 

【Inner Sydney Montessori School】

Balmain Campus

(Preschool and Primary)

and ISMS Administration

44 Smith Street Balmain

NSW 2041

https://www.isms.nsw.edu.au/

 

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