モンテッソーリ教育における大人の大事な役割は環境を整えることです。
環境には、教材、教具、道具などの「物的環境」と、先生などの「人的環境」がありますが、そのどちらも素晴らしく魅力的な園があります。
先生達がいつも皆幸せそうな園、サンディエゴ市にある国際モンテッソーリ協会認定モンテッソーリスクール「Beth Montessori 」園長のリナ先生に話を聞きました。
(Bethに行くといつもニコニコ、ピカピカの笑顔でフレンドリーに出迎えてくれるリナさん)
開園から今まで
「ようこそ。私ともう一人、シシリアがこの学校の共同のオーナーです。
まず初めに、なぜ、この学校を作ったかと言うと、最初にサンディエゴに来た時、自分の子どものために自分の理想のモンテッソーリの学校が見つからなかったからです。多くの園には、教材・教具は沢山揃っていましたが、そこにモンテッソーリの本質・哲学がないと思ったのです。
そんな時、シシリアと出会い、一緒に自分の子どもの為に良いモンテッソーリスクールを作ろうと決めました。」
(園の入口)
その前にはメキシコ等で6年のモンテッソーリ教師としての経験があったというリナさん。
「私たちのゴールは、学校をビジネスとして成功させる事ではありません。子どもが真に幸せで、規律と愛のある、モンテッソーリの本質の全てを持つ学校を作ろうと決心したんです。」
(心のこもった魅力的な環境)
幸せで、熱心な先生から成るコミュニティ
「学校をどうやって作るのかは知らない、経営の仕方も知らない。しかしそれまで他の様々な学校で働いた経験から、『モンテッソーリ園として、こんな所は嫌だ!』という明確なイメージがありました。」
– 具体的には、どんな学校をイメージされたのでしょうか?
「私は、幸せな先生が情熱を持って働ける、そんなコミュニティ(共同体)を作りたかったのです。まず、幸せな先生がいること。そしてその先生が、教材を揃える際に心から情熱を持って作ったり選んだりしていれば、モンテッソーリ教育の実現はとても容易になります。」
– まずは“人的環境から整える”ということですね。
「そう。だから誰を採用するかという時に、とても慎重になります。どんな資格や学歴を持っているかという事以上に、『その人が情熱的かつ友好的で、モンテッソーリ教育に熱心に関わるか』という事がとても大切です。」
スタートは1クラスから
「私たちは、2005年に3-6歳の1クラスからスタートしました。カルモバリーという場所でその時点では12人程度の人数でした。そして、ここラホヤに3-6歳のクラスを1つ、2-3歳のクラスを1つ、続けてオープンしたのです。
2,3か月すると人数は徐々に増え続けたので、カルモバリーを統合し、ここラホヤ 1ヶ所にしました。何故なら、私たち二人が一つの場所に常駐する必要を感じたからです。3-6歳と2-3歳のクラスが3つずつ、そしてインファントコミュニティが1つ、全部で7クラスになりました。」
– スタート時点から、約12年でだいぶ人数が増えましたね。そして、幸せな先生と幸せな生徒、という目的は達成できたように見えますが。
「ありがとう。でも、いまだにそれは継続して努力中なのですよ。
園長としての私の一番の仕事は、“先生と沢山話すこと”なんです。」
目標は、先生同士が助け合い、一体感のある集団
– 園長と言うと、保護者対応など、外部に向けての仕事が忙しいイメージがありますが。
「私の場合はまず、
- 先生達を集団としてまとめ、一体感を持たせること。
- 個々の先生が、個々のクラスで孤立しているように感じさせないこと。
それが私の最優先の仕事です。大事なのは、私たち自身がコミュニティ(共同体)になるということ!
例えば、あるクラスがうまく機能していたら、良いクラスが別のクラスのこともサポートする。もしうまく行かなくて困っているクラスがあったら、他のクラスも一緒になって協力します。
バラバラじゃなく、助け合う。そういう意識が大切なんです。」
そのようなトップの元に働いているから、先生たちが皆幸せそうにいつもニコニコしているのでしょうね。
次回は、人的環境を整えることの重要さについて、さらに詳しくお伺いします。
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