2017.07.20 はじめに
~モンテッソーリ教育とは~


モンテッソーリ教育は、今から約百年前に、マリア・モンテッソーリ(※1)という女性医師がイタリアで始めたものです。

 

 

 

 

モンテッソーリの児童観

この教育法は、子どもの「観察」(※2)がベースになっています。モンテッソーリは、観察によって子どもの特徴をとらえて、子どもは自ら育つ力、成長する力を持っている”という独自の児童観を確立しました。

 

そしてその力を後押ししている物として、モンテッソーリは「吸収する精神(※3)」「敏感期(※4)」「人間の傾向性(※5)」などを提唱しました。

 

 

 

また、子どもが大人になるまでの発達を四つに分け、その「発達の四段階(※6)」に応じた、「整えられた環境(※7)」が大切だと訴えました。

(発達の四段階)

 

 

(第一段階後期3-6歳の為に整えられた環境の例)

 

 

 

子どもは自らの力で成長する

モンテッソーリ教育が生まれるまでは、子どもは無力な存在で、大人が教えないと何もできないと考えられていました。

 

しかし、子どもの発達にあった環境さえあれば、子どもは自らの力で成長することができる事を彼女は発見しました。

 

それは、子どもが自ら関わって、自ら学びたくなるような環境です。

 

 

 

このように、“大人が教え込むのではない”というのがモンテッソーリ教育の大きな特徴です。

 

モンテッソーリ教育では、子どもは「自由選択(※8)」で活動を選び、様々なことを吸収していきます。

 

こうして子どもは、生涯に渡る「自分で考え、自分で選び、自分で生きる力」を身に着けていくのです。

 

 

注釈

※1 マリア・モンテッソーリ

1870年イタリアで生まれ、20歳の時にローマ大学医学部に入学。26歳で、イタリアで初の女性医学博士となる。27歳で、ローマ大学病院で障害児と出会い、障害児教育の研究を進める。30歳の時に知的障害児のために「モンテッソーリ教育法」を開発。障害児のみならず、全ての子どもの成長に目覚ましい成果をあげ、世間に注目をされる。1907年、37歳の時に、モンテッソーリ教育の幼稚園「子どもの家」を開園。その後、世界各地にこの教育法を広めるべく積極的に活動し、81歳の時にオランダで生涯を終える。今尚世界中に彼女のファンが存在し、その教育法は世界中で実践されている。

 

※2 観察

子どものありのままの様子や成長を、研ぎ澄ませた目で注意深く見ること。そこから子どもに今必要な環境や教材、援助を知る手段として使う。モンテッソーリの国際資格を得るためには約250時間に渡って子どもの観察をし、発達の様々な面(運動・言語・睡眠・食事等)を考察することが課題となっている。

 

※3 吸収する精神

0-6歳の子どもが特別に持つ,自分の身の回りの事柄(習慣・言語・宗教等全て)を写真で取るように吸収してしまう、特別な心のこと。特に、3歳までは無意識に吸収する。

この吸収する心によって、どんな場所に産まれても、その文化に適応して成長していくことができる。

 

※4 敏感期

子どもが、ある能力を身に着けるために、その事柄についての感受性が非常に鋭くなる時期のこと。例えば、6歳までには感覚・言語・秩序・運動の敏感期などがある。世界中の子どもに大体同時期に同じ敏感期が現れる。子どもは、まるで暗闇の中でその部分だけが照らされているかのごとくに感じ、その事に恋をするかのようになる。そして、その時期に適切な環境を与えられると、その能力を驚くほど容易に身に着けることができるが、一定の時期を過ぎると敏感期は消えてしまう。

 

※5 人間の傾向性

敏感期や吸収する精神が、幼児期特有の力であるのに対し、人間の傾向性は一生続く。

傾向性は、すべての人間に備わった衝動であり、人間らしい特徴を獲得するための後押しをしてくれるものである。(例)探求したい、見当識(今どこにいるのか知りたい)、秩序、コミュニケーションを取りたい、仕事をしたい、繰り返したい、間違いを訂正したい、正確性を追求したい、抽象化したい、想像したい、数学的に考えたい、自己完成したい、など。

 

※6 発達の四段階

モンテッソーリによる人間の発達の観察結果を土台として構築された枠組み。彼女は、子どもの発達を第一段階:0-6歳、第二段階:6-12歳、第三段階:12-18歳、第四段階:18-24歳の四つに分けた。発達の段階が変わると、それまでと全く別の子どものように見える。それぞれの段階で必要な事は全く異なるが、前の段階で上手くいかなかった点は次段階にも影響を及ぼす。

 

※7 整えられた環境

子どもの観察結果に基づき、その子の成長に必要なものが全て整っている環境のことを、整えられた環境という。家庭と園によって、またそれぞれの発達段階によっても異なる。環境には、お部屋の家具や教具などの物的環境と、先生や親などの人的環境とがある。

 

※8 自由選択

発達の過程における「敏感期(臨界期)」を重視し、「子どもの発達は子どもが一番知っている!という児童観。モンテッソーリ・メソッドでは、従来の教育のように大人側でその日の子どもの活動を決めてしまうということはせず、それぞれの子どもが「自分で」その日の活動を「選ぶ」というスタイルで過ごす。クラス内では「絵を描いている子」「お料理をしている子」「お掃除をしている子」「本を読んでいる子」など、いろいろな活動が同時に展開されている。

 

 

 

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