京都市伏見区で、40年の伝統のあるモンテッソーリ教育実践園『深草こどもの家』を紹介いたします。
日本で初めてモンテッソーリ教師のディプロマを取得された、日本モンテッソーリ教育のパイオニアである、赤羽惠子先生の創立された歴史あるモンテッソーリ園です。
外観
訪れた人は、まずその豊かな自然環境に驚くでしょう。
門をくぐると、まずは石段が迎えてくれます。
美味しい空気を吸いながら、63段の石階段を一歩一歩踏みしめてのぼっていくと…
大きなお家が見えてきました。
こちらが、園の玄関となります。
中に入ると、本物の暖炉と趣のあるホールが迎えてくれます。
こちらのホールで、子どもたちが集まりの会をしたり、劇の練習をしたりしていました。ぱちぱちと音のする、本物の暖炉であたたまっています。
子どもたちは朝8時半~9時の間に登園し、縦割りクラス(3歳-6歳)で室内や外で自由に過ごします。
3-6歳クラス
まず、3-6歳のクラスの室内の様子をご紹介します。
朝、「さあ、今日も子どもたちを迎えよう!」と言っているような雰囲気が漂うお部屋に登園した子どもたちは…
いそいそと、自分の好きな仕事に取り組みはじめました。
日常生活の指先の練習の棚
先生方が心をこめて準備した、指先の練習の活動がずらり。
当園後に、まずはハサミで切るお仕事をしてから、ほっとした様子で他の活動に移る子も見られました。
鉛筆削り
鉛筆や色鉛筆は、「スカッター」で自分で削ります。
大人でも鉛筆をカッターで削ったことのない人が多い時代、指先を使うとても良い機会です。
※こちらのカッターは、モンテッソーリ教材を多く取り扱う『こどもの家』集団さんで販売されています。(名称「鉛筆削り」)
三つ編みの練習
三つ編みの習得一つにも、目的と段階がありました。
三つ編みの練習は、紙から始まり…
棚に下げてある、大きな布の三つ編みで
何度も練習をし、
最終的にこの、大きな毛糸の束から好きな毛糸を選んで、
ポシェットの紐にしたり、髪かざり、ベルトなどにします。
まるでお店で売っているようなこのポシェットは、年長児の機織りの作品。世界に一つだけの、素敵なポシェットです。
畳のコーナーでの機織り
子どもたちが、3-6歳のお部屋の端にある畳のコーナーに座って、機織りをしていました。
好きな色の毛糸を思い思いに選ぶことができます。
子どもたち一人に一つ、マイ機織りが用意されています。自分専用の機織り機、うれしいですね!
作品の一つ。子どもによって使う色が違います。
※こちらの機織りも、『こどもの家』集団さんで販売されています。(名称「幼児用機織り」)
季節を感じられるコーナー
訪れた季節は秋でしたが、季節を感じられるような自然のものがたくさん置いてありました。
「大人も愛着を持って、素敵だなと思えるようなものを子どもに。」と、園長の根岸美奈子先生。
「どんぐり団子」という絵本にのっているようなコマをつくれる、どんぐりの制作コーナー。
どんぐりの人形がとても可愛いです。
線上歩行
モンテッソーリ教育では、子どもたちが線の上を意識的に歩く「線上歩行」という活動があります。「深草こどもの家」では、毎週月曜日の午後に線上歩行を行っているそうです。
線上歩行の意味を園長の根岸先生に伺うと、次のように仰いました。
『午後からの室内活動に入る前に線上歩行を行い、その雰囲気の中で次の活動に入っていきます。静かに歩くことによって、身体のバランスを取りながら、自分をコントロールできるようになるのです。こうすることで、自分の身体のコントロールから、やがて精神的な意味で自分を律するようになっていくのです。』
『大人によって静かにさせられるのではなく、自分から静けさをつくるようになるのです。』
歩く時に、背筋を正して、旗、お手玉、ベルなど色々なものをもって歩きます。
線上歩行の曲(篠原眞作曲)が流れる中、年中・年長児が意識的に、一歩一歩、真剣に線の上を歩いていました。
※線上歩行にぴったりの美しい曲も、『こどもの家』集団さんで販売されています。(CD「あいうえおの歌」に収録)
対照地形の活動
文化のお仕事の一つとしては、紙粘土を使って対照地形(海が入り込んだ湾や海峡、湖などの地形を取り上げた教具)をつくっていました。ナイフを使いながら紙粘土をくりぬき、形を整えて色水を流し込みます。
地球儀からはじまり、地図のお仕事をし、そして対照地形をつくります。
対照地形の本もつくります。
実際に粘土で地形を作ってみた後は、自分だけの本ができあがるんですね。
絵の具のコーナー
イーゼルの場合は、絵の具がポタポタと垂れることもあるのですが、そんな心配もいりません。いつでも座ってじっくりと描くことができます。
絵を描いた後は、自分で外に干しに行っていました。
素敵な室内環境を見せて頂きありがとうございました!
次回は、「外環境」と「日々の保育で大切にされている点」をご紹介します。
【京都モンテッソーリ教師養成コース附属 深草こどもの家】
〒612-0817京都市伏見区深草向ヶ原町17番地
お知らせ
深草こどもの家では2020年に「学校法人化プロジェクト」が発足しました。このプロジェクト実現には、新園舎建築などに伴う多額の資金調達が必要となり、寄付受付が始まっております。
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